11:(200112)
少聞多想/11:「あなたが人生で一番影響を受けた人は?」
- 「あなたが人生で一番影響を受けた人は?」と聞かれれば、迷わず「作家の五木寛之さんです」と答える。五木さんとはバス通学の高校時代、なかなか来ないバスを待つために入り浸った本屋で出合った。小説は面白く夢中になって読んだ。少ない小遣いで文庫本も買った。読書好きになったのも五木さんのおかげ。
- その五木さんが40歳の時と49歳の時、休筆宣言して京都に住まれた。後者のときは龍谷大学の聴講生になって仏教史を学ばれ、それ以降、仏教・蓮如について書かれることが多くなった。
- 五木さんは人生を海に漂うヨットや大河の流れにたとえる。「いくらジタバタしても風がないことにはヨットは進めない」「無風が続いても、じっと我慢し、注意ぶかく風の気配を待ち、空模様を眺め、風を待つ努力は必要だ」「水がきれいなときは、冠のひもを洗えばいいし、水が濁れば、自分の足を洗えばいい」と言う。それが「他力」だ。
- 自力で人生を切り開いて来たと思ってみても、過去を振り返ってみれば、生まれた環境、人、本との出会い等、どうしようもない流れの中で生きていることに気づく。結果、チャンスに恵まれ社会の評価が高い人もいれば、そうでない人もいる。だからと言っておごることもなければ、卑屈になることもないとも思う。あせらず風を待て。(堀)

