27:(200304)
少聞多想/27:山田洋次監督作品「たそがれ清兵衛」上映終了
- 昨年の11月2日から上映されていた山田洋次監督の作品「たそがれ清兵衛」が4月18日で関東での上映を終了した。上映開始当時に2回、そして最終日と3回も鑑賞した。
- 最初に見終えたときの感想は「腰が抜けた」。幕末の貧しい武士の生活がリアルに描かれ、ストーリィの展開も意外性に富んでいた。いきなり斬り合いが始まるのかと思えば「まぁ酒でも」と言われる。真田広之さん演ずる清兵衛と田中泯さん演ずる余吾善右衛門との迫力ある対話。舞踏家であるのに田中泯さんの声は力強かった。殺陣もすさまじかった。これは武術家を交えた約4ヶ月間にわたる殺陣訓練の成果だと“『たそがれ清兵衛』-殺陣日誌-”を見て知った。
- 幼なじみの宮沢りえさん演ずる朋江が来て、二人の娘は喜び、家は明るくなる。ここが私の一番好きなシーン。まりを作り、書道を教え、布団に綿を入れる。「あぁ、昔の人たちも、こうして生きて来たんだなぁ」と思い、何故か涙が溢れた。
- ラストシーンは時代が変わって明治。岸恵子さん演ずる晩年の以登(清兵衛の2女)が人力車で墓参り。「たそがれ清兵衛は不運な男だったと言う人もいるけれど、幸せだったのだと思う」というナレーションで終わる。清兵衛の人生は短くはかなかった。私も平凡だけれど幸せなのだと思った。(堀)

