33:(200310)
少聞多想/33:道徳にも真理があるのかも知れない
- 「梅原猛の授業 道徳」を読んだ。宮沢賢治の「よだかの星」と夏目漱石の「坊ちゃん」を教材に使っていて、授業を受けた中学生の討論も面白かった。で、「よだかの星」と「坊ちゃん」もインターネットの青空文庫からファイルを落として読んでみた。
- 昔読んだ「坊ちゃん」の記憶は、越後の「笹飴」とか、清というお手伝いさんのイメージばかりで、ストーリーもすっかり忘れていた。読み返してみるとやはり清の印象は強くなるばかり。清は親以上に坊ちゃんを可愛がる。たとえば、ひそかに小遣いをあげる、「まっすぐで、よい気性だからきっと出世する」と信頼も大きい、トイレにがま口を落とすと竹ざおで取って洗ってくれる、それでも「色が残っているようで嫌だ」と言うと、どこかで新しいお金に交換してくれる。
- 旗本の生まれなのだけれど、今ではお手伝いでおばあさんの清。やせて、背も小さくいのでしょう。清は、子供の頃に同居していた祖母の姿にダブります。病弱な父の弟がトイレに財布を落としたときは、清と同じことをしていました。祖父や父に隠れてまで子供や孫を可愛がっていたようです。
- 梅原さんは「道徳の根源は動物にもある母子の愛情にある」という。道徳は数学や物理のように強固には蓄積できないけれど、真理があるのかも知れない。(堀)

