35:(200312)
少聞多想/35:12月12日は小津安二郎監督の誕生日
- 12月12日は妻の誕生日、偶然にも小津安二郎監督が生まれた日と同じ。NHK−BSでは生誕100年を記念し、現存する全作品を放映しています。十数年前に「名監督の映画だから」と何度がビデオで観ましたが、それほど感動するということもなく、「人によって感じ方が違うのだから残念だけど仕方がない」と損をしたような気持ちでした。
- ところが、今観ると「どうして昔はこの映画を素晴らしいと思わなかったのだろう」と不思議に思えます。普通は2度目、3度目となると感動も薄くなるものですが、観る回数が増えるほど味わいが深くなって来るのです。
- 「晩春」に定年も近い大学教授が通勤列車の中で、若い娘紀子に「座るかい」と言い、娘は断るというシーンがあります。もう老人なのだから、娘に席を譲ることもないのですが、「親って、そうなんだよな」と登場人物の気持ちが分かって分かってしょうがないのです。「秋刀魚の味」などもそうですが、観ていると何故か心地いいのです。何度か観ると台詞がリズムを持っていて、役者が歩くリズムも同じように意識されているように思いました。
- 「東京物語」は悲しい映画でした。今回はどうしてか、原節子さんが場違いに感じられ、映画を観た後は「時間が流れなければ幸福なままなのに」、そう思いました。(堀)

