ご近所の散歩道/12:【2006/10】松戸市下矢切 野菊の墓文学碑
松戸市下矢切にある「野菊の墓文学碑」の紹介です。
野菊の墓文学碑
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【西蓮寺裏境内に建立されている「野菊の墓文学碑」】 |
野菊の墓文学碑
「野菊の墓」は松戸市矢切と市川を舞台にした伊藤左千夫の小説です。主人公は矢切に住む15歳の少年・斎藤政夫。母が病弱で看護のかたわら農作業の手伝いに2歳年上の従姉・民子が市川から来ます。そして、淡い恋物語が始まるのです。
西蓮寺の裏境内にある「野菊の墓文学碑」には舞台となった矢切を描写した文が刻まれています。
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野菊の墓文学碑僕の家といふは、松戸から二里許り下がって、矢切の渡を東へ渡り、 伊藤左千夫著 野菊の墓より |
碑の文は、僕の家の説明、政夫が民子と茄子をもぎに行った裏畑からの眺めの描写、二人が山畑へ綿を採りに行くことになり、気恥ずかしい政夫が銀杏の下で民子を待つ描写の各部分を組み合せたものです。モデルとなった銀杏は「野菊の墓文学碑」のある西蓮寺の入り口にあったもので、現在はその一部が文学碑の敷地に植えられています。
小説の舞台となった矢切は市川市国府台の隣ですから、「市川」という言葉が数多く登場します。「船で市川へ出るつもりだから」、「今度は陸路市川へ出て、市川から汽車に・・・」、民子が嫁に行ったのも「市川の内で、大変裕福な家」。「市川」という言葉は16回登場します。
伊藤左千夫は 1864(元治元)年、現在の千葉県山武市に生まれました。短歌の改革運動をしていた正岡子規の門下として写生短歌を学び、子規の没後に歌壇「アララギ」を主宰します。明治39年1月に「我輩は猫である」の連載されていた俳誌「ホトトギス」第九巻第四号に「野菊の墓」を発表。夏目漱石は「野菊の花は名品です。自然で、淡泊で、可哀想で、美しくて、野趣があつて結構です。あんな小説なら何百篇よんでもよろしい」と左千夫に書簡を送っています。
1955(昭和30)年、木下恵介監督により「野菊の如き君なりき」として映画化。その後、映画に2回、TVドラマに9回映像化されています。
「野菊の墓」は物語も美しく、描写している写生文も美しい作品です。文学碑を訪ね、政夫と民子を思い浮かべてみてはいかがでしょう。(堀)
『野菊のこみち』
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市川橋から江戸川沿いにサイクリングロードを3キロほど北上した右手に「矢切の渡し」の看板が見え、その隣に「野菊のこみち」の入り口があります。 小道が分岐する地点には石碑と矢印の看板があって、「野菊の墓文学碑」のある西蓮寺まで案内してくれます。 |
【参考】
- 青空文庫「野菊の墓
http://www.aozora.gr.jp/cards/000058/card647.html - 日本近代文学論究 (論文)伊藤左千夫『野菊の墓』論ノート
http://tanabe.easy-magic.com/user/ - 「野菊の墓」・「伊藤左千夫」・「土屋文明」・「アララギ」(Wikipedia)
- 「伊藤左千夫の生家」
http://chiba4u.com/narutokanko/info/page_itoh.htm - 「実りのとき 野菊・伊藤左千夫」「伊藤左千夫記念公園」各Webサイト。
- 俳誌「ホトトギス」 第九巻第四号目次
http://www.ne.jp/asahi/hototogisu/01/009/04.htm - NHK-BS2 「野菊の如き君なりき」 2006年7月6日(木) 後1:00~後2:33



